裏ギフト
トラウマ
放課後の教室に結香を足止めされた結香は、自分の席に座らされていた。


その目は挙動不審に泳ぎ、眉をハの字にして不安を隠し切れていない。


「今日はね、結香の大好きなものを持ってきたんだよ」


初がニヤニヤと笑いながらそう言う。


「あたしの好きな物?」


結香は初を見て首を傾げる。


「そんな不安そうな顔しないでよ。本当に結香の好きな物だからさ」


つぐみがそう言い、一旦自分の机に戻って引き出しの中から何かを取り出した。


黒いビニール袋に包まれていて、中身は見えない。


あたしは教科書を取り出して復習をするフリをしながら、その光景を見ていた。


つぐみと初は一体なにを準備してきたのだろう。


「これ、開けてみてよ」


つぐみが袋を差し出し、結香が恐る恐るそれを受け取った。


「なに……?」


結香は怯えたように2人を見る。
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