裏ギフト
すべての嘘が
目が覚めたとき、あたしは真っ白な部屋の中にいた。


ここがどこかわからず周囲を見回す。


頭を動かしたことでひどく頭痛がして、あたしは顔をしかめた。


その時だった。


「目が覚めた?」


聞きなれたお母さんの声が隣から聞こえてきて、あたしはそちらへ顔を向けた。


心配そうな顔をしてあたしを覗き込んでいるお母さんが見える。


あたし、どうしたんだっけ?


すぐには思い出せず、混乱する。


声を出そうと口を開けてみたけれど、声は枯れていてうまく言葉にならなかった。


「待ってね、今先生を呼ぶから」


先生?


お母さんがあたしのまくら元へと手を伸ばし、ボタンを押す。


それがナースコールだと気が付き、ここが病院なのだとようやく理解できた。


「お……母さん……あたし……なにがあったの?」


「学校の階段から落ちて、救急車で運ばれたのよ」


その答えに、あたしは目を見開いた。
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