裏ギフト
最後のギフト
そしてその時刻はやってきた。


いつも通りの3時過ぎ。


外を見ていた翔真が急に立ち上がり、目を輝かせる。


睡魔に負けそうになっていたあたしはその物音で目を覚まし、窓へと近づいた。


「来た……」


いつものように黒ずくめの相手が白い箱を持っている。


あたしはその様子に思わず舌なめずりをした。


「ねぇ、あたし、あの人から直接ギフトを受け取ってみたいな」


「何を言ってるんだ?」


あたしの言葉に翔真は驚いたように目を見開く。


翔真からすればあの人はただ雇われただけの人間だ。


だからあの人自身には全く興味がないんだろう。


でも、あたしは違う。


誰かの悪意を届けているあの人物こそに、興味がある。


あの人が毎家に来てくれるのは大歓迎だ。


だから、犯人を見つけることに時間がかかっているのかもしれないと、自分でも薄々気が付いていた。
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