裏ギフト
「今日も夜勤だから、夕飯は適当に食べてね」


「わかってる」


あたしはそう返事をして、椅子から立ち上がった。


「侑理、今日はなんだか機嫌がよさそうね」


食べ終えた器を流しへ持っていくと、そんなふうに言われた。


「そうかな?」


「そうよ、学校が楽しい?」


そう言われあたしは永遠の顔を思い出した。


楽しい。


とっても、楽しい。


「うん、楽しいよ」


「それならよかったわ。友達は大切にしなさいよ?」


「わかってる」


あたしはそう返事をして、家を出たのだった。
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