今日も上からものを言う。





「は、花火、綺麗だねっ!」



「ん?そうだね」





さっき大きな花火がちょうど上がったおかげで、私の小さな声での呟きは聞こえなかった。



あの時花火が私の声を消してくれてなかったらどうなっていたんだろう?






考えただけで恥ずかしい。




私、永瀬くんのこといつのまにか好きになってたみたいだ。





こんな性格歪んでて自分勝手で最低なのに。




なのに、たまに優しかったり素の笑顔を見せたりするから。






「わたがし食べたい」




気づいてしまった自分の気持ちは認めざるを得ない。



私は永瀬くんのことが好き。




初めての感情に戸惑いながら、繋いでいる手に少し力を込めた。





< 190 / 400 >

この作品をシェア

pagetop