今日も上からものを言う。
「こけんなよ」
「こけないよっ。
縁起でもないこと言わないで」
口を尖らせる私の頬を撫でる。
前よりスキンシップが激しくなった。
そのことが、今まで通りのようで違うってことを表しているよう。
「私行くね」
龍くんから離れるように、この場を去り点呼を受ける。
変な期待はさせちゃいけないって分かってるけど、突き放すことはやっぱりできない。
どうすればいいんだろう……。
「大変なのも分かる。
けど今はリレーに集中しよ。
じゃないと美桜は派手にやらかしそうだし」
「ひどいっ!」