オレ様男子に愛されて。(下)


「で、由奈ちゃん。
律とはどうなの?」



急に蒿くんが聞いてきた。



「.....。」


「由奈ちゃん?」


「あのね、今日、神崎が.....」


「うん。
一旦隣の誰もいない教室に行こうか。」



そして、隣の教室に入った。



今日、神崎が知らない女子といたこと。

本当は認めたくない。

けど、見てしまった.....



「今日、神崎が、朝.....」


「うん、どうした?」



蒿くんが先を促してくれる。



「私の知らない女子と.....、うっ.....」



涙が溢れてきた。



「し、らないっ、女子と、っ、う、で組んで、ひっく、歩いて、たっ、のっ。」



やっとの思いで言いきる。

蒿くんは、



「はぁ?!」



衝撃を隠せなかったみたい。

そうだよね.....



「私っ、かんざ、きに嫌わ、れたの?」



止まらない涙をそのままに私は聞いた。



「許さない。
律がそんなやつだったなんて!」



蒿くんの怒りは爆発寸前だ。



「由奈ちゃんっ!
僕と付き合おう!」


「へ?」



一瞬で涙が引いた。



な、なんですとぉー!



私の驚いた顔を見て、蒿くんは焦る。



「いや、いやいや!
違うよ!そうじゃなくて!」


「なくて?」


「僕達もやり返してやろうってこと!」


「へ?どゆこと?」


「だから、嫉妬させよう!
律を!」



ぁあー、そういうことね!

確かに、私だけが嫉妬して、あいつは知らない女子と楽しそうとか.....

許せないよねこれは!



「いいよ!
それしよう!」



そして、私と蒿くんの作戦は始まった。
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