狐と嫁と溺愛と
前回同様、手の中には小さな小瓶。



透明で、蓋までついている。



「ナナ様…?もう起きる…?」

「うん、結構寝たみたいだよ」

「うわっ‼︎銀っ、夕飯の下準備してないぞ‼︎早く起きろっ‼︎」



ちびっ子ふたりは慌ててキッチンに走って行った。



これでふたりを大きくできるかもしれない。



本当にありがとう、お母さん。



でも、取り出すって…どうするの⁉︎



『時間あるときに電話ください。お母さんの贈り物で、話があるから』



大河さんに早く知らせたくて、メッセージを送っといた。



うまくいけばいいな…。



でも、大きくなったら絶対美少年と美少女だよね。



小学生くらいにはなれるかな?



大人にはなれないかもしれないけど、協力したいんだ。



「ふふっ、嬉しい…」



お母さん、会えなくたって、いつも見ていてくれるんでしょ?



あたし、誰かの役に立てるように頑張るね。



きっとそれが、あたしの使命だと思うから。



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