狐と嫁と溺愛と
えっ…。



「高いところは平気なんだよな?」

「うん…」

「しんどくなったら言えよ?」




揺れないように木の上にジャンプしてくれた大河さん。



真っ暗な世界で、無数の星がキラキラと輝いている。



「月がキレイ…」

「酒が飲みたい…」

「ごめんなさい、あたしのせいで…」

「月見デートってことで」

「ありがとう」

「次はあの木まで飛ぶぞ」



前もってどれくらいジャンプするか教えてくれて、更に速度もゆっくり。



月を見てると、意外と大丈夫かもしれない。



「こっちの世界、好きになれそうだよ」

「それはよかった。次は夏にでも来よう。見せたいものも、会わせたいヤツも、こっちにはたくさんだからな」




すごく嬉しそうな顔をした大河さんに、胸が痛んだ。



この前、一緒に来れなくてごめんなさい。



これからは、逃げたりしないからね。



自分の道と、ちゃんと向き合うことにする。




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