狐と嫁と溺愛と
だけど、そうではなくて。



握られた熱い手。


引き寄せられた腰。



「キスして、ナナ…」

「でもっ‼︎」

「大丈夫、普通のキスなら、妖力は流れてこない…」



触れるだけのキス。



溢れて止まらない涙。



「愛してる、大河さん…」

「俺も、愛してる、ナナ。ふたりで、乗り越えよう」



そう言ってくれた。



本当に好き。



あなたしかいないの。



触れられなくてもいい。



そばにいたい。



「わかってる。どちらかが死ぬまで、そばにいる」

「心、覗かないで…」

「すまない」



意識が曖昧なのか、また眠った。



乗り越えられるかな?



解決策はなにかあるかな?



あなたのそばにいられるなら、なんだってするよ。



だから、これから先もあたしを捨てないでね?



ずっと愛してね?



大河さんとなら、どんな困難も乗り越えられる気がするの。



一緒に、頑張ろう。



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