狐と嫁と溺愛と
帰りの車の中は無言で。



ヤバい、気持ち悪くなってきた…。



元から乗り物に弱いあたしだけど、食後に車の匂いはキツイかも…。



「大河…さん、少し寝てもいいですか…?」

「ん?うん、いいけど…どうした?顔色悪い」

「少し酔った…だけなので…」



すぐに見つけたコンビニに車を止めて、大河さんはひとりで入っていった。




えっ、なんで…。



「気休めかもしれないけど、少しはマシになるかも。吐くなら吐いても平気だからね」



渡された冷たい水とレジ袋。



やっぱりいい男…。



なんで優しくするかな…。



「ありがとう…ございます…」

「少し止まっとくから、眠れるなら寝ちゃいなよ」

「うぅぅぅぅ…」

「なにっ⁉︎」

「優しい…ヤダ…。なんかいろいろ諦めてるのに…そんなに大事にされると…どうしたらいいのかわからないっ…」



涙が溢れてしまった。



泣くはずじゃなかったのに。



「寝るといいよ、ナナちゃん」



優しく頭を撫でられたら、いつの間にか夢の中。



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