狐と嫁と溺愛と
あたしに乗せていたアズマの足が…ないよ。



「ぐぁっ…」

「さて、次は腹か、それともその背中の翼か?」

「なんだ…お前っ…」

「喋るなよ、殺したくなるから。これでも抑えてるんだ。ナナの前で、俺は暴れたくないからな」

「いつからそんな力をっ…」

「はぁ…。うるさいと…言ったはずだ」



大河さんが動く姿が見えなかった。



アズマのお腹に、大河さんの刀が刺さってる…。



「大河さんっ、やめて…」

「ジロー、ナナの目は塞いどいてくれ。トラウマになったら困るからな」

「イヤだっ‼︎殺しちゃダメっ‼︎」



それからお父さんに目を塞がれ、何も見えなくなった。



何が起こってるのか…わからない…。



「さぁ、帰ろう」



その言葉は終わりを迎えた証拠。



視界を解放して貰えると思えば、パサリと頭に何かを掛けられた。



おかげで真っ暗。



お父さんに抱っこされたまま、どこかへ連れて行かれる。



どうなったの?



「大河さんっ…」

「ん?」

「アズマは…?」

「殺してないよ。大丈夫、殺してはいない」

「よかった…」



安心したからなのか、気が抜けると同時に眠った。


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