狐と嫁と溺愛と
そんなことより、大河さんの尻尾がくすぐったい。



「ふふっ、やめて?」

「ずっとこのままここに置いとくんだ」

「へっ⁉︎」

「メシも俺が食わせて、トイレも連れてって、一緒に風呂に入って、全部俺がしてやる。あぁ、カワイイ…」

「んなぁっ⁉︎」



ガブッと首に噛み付かれた。



もう噛まないって言ってたのに‼︎



なんでこんなに酔ってるの⁉︎



「痛いっ‼︎」

「ん〜」

「ちょっ、マジで…痛いってばっ‼︎」

「何で逃げるんだよ…」



また血が出たよっ‼︎



押さえた首からタラっと血が。



「酷いことするのね、妖狐様は」

「椿さんっ‼︎助けてくださいっ‼︎」

「こっちへいらっしゃい」



椿さんが助け出してくれて、大河さんは不服な様子でお酒を煽る。



完全に酔ってる…。



「もぅ、なんで噛むのかしら…。あっ、血が止まったわよ?早いわね…」

「あっ、もしかすると大河さんの妖力が体に残ってるからかも…」



そう言えばお腹が痛くない…。



もしかして、昨日の過呼吸の時に大河さんがあたしの体に妖力入れた時に治った?



あとで確認しなきゃ。


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