ミルト
「…って
未来花が私を守ってくれたんだぁ。」
「いや、
それってミジンコと同レベって
けなしてるんじゃ…」
「ん?どうかした」
「ううん、なんでもない。
姫喜ちゃんがいいなら…」
未来花は小さい頃から強くて
勇気ある子だった。
空手を小学1年生の頃からやりはじめて
ずっと続けている。
一応
私も小学3年生から剣道をやっている。
「あぁ、やっぱり桐山くん
カッコイイ!
コンタクトしたら数倍かっこよくなった。」
レイちゃんは
ずっとストーカーし続けている。
「桐山くんのこと考えると
何も手がつけれなくなる~」
彼女が頭を振ったため短い黒髪が
揺れる。
顔を隠しているが
赤い耳だけは隠れていない。
私ももう一度
未来花のことを考えてみる。
…そーいえば
今日は朝、メガネ割っちゃったし
さっきも結ってくれたのに
殴っちゃったし…。
「姫喜ちゃん!?大丈夫!!?
すごく顔青いよ!!!?」
あぁ、
大丈夫だ。
ちょっと
未来花の昔の喧嘩を思い出しただけで…。
たぶん、
私が竹刀を持っても素手で負けそうな気がする。
想像するだけで
恐ろしい。
やはり
私にとって奴は
その程度の奴だった。