ミルト


「やっぱり
難しいですか?」





私は答えなかった。


コーヒーカップを
なんとなくつついていた。



空くんはなんとなく
私の気持ちに気づいたようだ。




特に
驚く様子も悲しむ様子も見せなかった。













「これ…」




その代わり、
彼は鞄から1枚のチラシを出した。


文化祭のチラシだ。





一人三枚ずつ学校から配られ、
先生たちに散々誰かを誘えと渡されたものだ。


残念ながら
親にも渡せない私は三枚全て持っている。







「これ、
渡してみました。

そしたら
誘って来ると言ってました。」








空くんが
何を言っているかわからなかった。


てか、
誰のこといってるの?








まさか
未来花に言うわけがない、

なぜなら
そんなところ見てないからだ。






今日は
ずっと彼の側にいたし、
もしかして
今日の話じゃない!?







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