twins cherry

「……ねぇ、春翔くん」


私はノートに写している春翔くんに話しかけた。


「ん? なに?」


「あ、あのさ……、いいづらいんだけどこれからは授業中に話しかけてこないで……? ほら、私達よく怒られてるし」


「そっか、わかった! その分休み時間に沢山話そうね!」


「……うん!」


これで春翔くんは授業中には話しかけてこなくなった。だけど、今度は違うことで悩むことに……。私がああいってから数日後。


「ねぇ琉奈……最近春翔と何かあったの?」


5時間目の体育の時、桃花がそう聞いてきた。


「……えっ?」


「なんか春翔がさー、『どうしよう桃花……僕、琉奈ちゃんに嫌われたかも……』って相談してきたから……何かあったのかなーって」


春翔くんそんなショックだったんだ……意外と細かいこと気にするタイプ……?今だって体調が悪いっていって保健室にいるらしいし……。


「私……春翔があんなに落ち込んでるの始めてみたかも……」


「……桃花、ちょっと抜けるね」


私は立ち上がって桃花にそういった。


「えっ? どこいくの?」


「……保健室。頭痛いから休んでるって先生に伝えといて」


「うん、わかったー」


私は賑やかな体育館を出て保健室にいった。そこは先生がいなくてシーンとしていた。奥のベッドに、ぽつんと靴が置いてあった。あそこに春翔くんがいるのだろう。私はそーっと近づいてカーテンを開けた。


「…………えっ」





< 17 / 49 >

この作品をシェア

pagetop