冴えない彼はメガネを外すとキス魔になります!



定時後、今日子と飲むことになった。
行きつけにしている駅前の小さなカフェバーに向かっていると、前に見覚えのある少し猫背な後ろ姿が見えた。


「あれ、進藤じゃない?」


「ホントだ。」

今日子が声をかけた。


「進藤!!」


一瞬ビクッとし、ハッという顔をして振り向いた進藤は、私達だとわかりフッと表情を緩め立ち止まった。
ビビり過ぎ!


「お疲れさまです。今帰りですか?」

静かに進藤が話す。



「うん、今日は早く帰れたから、これから呑みにいくところ。」

と、私が言うと、



「進藤さ〜、これから何か用事でもあるの?
無いなら、一緒に呑む?」

と今日子が誘ってみた。
突然の誘いに少し驚いていたけど「良いんですか?」と言う進藤。


「もちろん、行こ、行こ。」

と、今日子が進藤に腕を絡めるもんだから慌ててる。
今日子はそれを面白がって、そのまま進藤を引っ張って歩いて行ってしまった。

今日子のおふざけで進藤が照れてる様子が私も面白くて、二人を後ろから眺めながら後を追った。





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