俺様主人の拾われペット




「…もう無理です。さようなら。」




そう言って、私は生まれ育った施設の扉を閉めた。

夜中のこの時間は、もうすでに施設の先生も子供達も皆ぐっすり寝ている。

私がここを1人で勝手に出て行こうとしているなんて
誰1人気付いているはずがなかった。



まとめた荷物を持って敷地を出る。

外は人なんているはずもなくて
ただ街灯の明かりだけが光っていた。



(…これからどうしよう。)



当てがあって出て行ったわけではない。
帰る場所が他にあるわけでもなく
ただ途方に歩き回るだけ。

こんな時間で人に会うこともなく
何を目的として歩いているのか
自分でもよくわからなかった。

でもとにかくあの施設から出て行きたい、という一心だった。




…今日は公園に泊まろうか。




そばを通る公園を見ながらふと思った。

そこにはすでに自分の縄張りを表すダンボールを敷いて集団生活を送る団体がいる。

この人たちの陣地を荒らすわけにもいかないしなぁ…とは思いつつも
他にこのまま歩いてもあるのは住宅地。
ここしか他にないのだ。


仕方ない、と決心し
とりあえず公園の中に入った。

街灯の明かりだけではどうも足元が見えにくいのもあって
なるべく端に寝る彼らの邪魔にならないよう真ん中を歩くようにしていた。



すると





-----ドスッ。







「…え?」





何かを蹴ったような音がして
自分の足に神経を集中させる。

…いや、確かに今何かを蹴飛ばした気がする。

足先が何かに触れている感じがして
その場にしゃがんでよく目を凝らして見てみると…





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