サヨナラの向こう側
「なんだよ、それ。


なんで黙ってんだよ」


「別に、理由なんてないよ。


なんで千広に話さなきゃいけないの?」


「それは・・・」


「話って、それだけ?」


「皆川のこと、あきらめろよ」


「あきらめられるなら、とっくにそうしてるよ。


できないから、困ってるんだよ」


「美久を見てると、ツラいんだよ。


痛々しくて、見てられない」


「じゃあ、見なきゃいいじゃない!


もう、ほっといてよ」


「ほっとけるわけないだろ!」


「幼なじみだし、心配してくれてるのはわかるけど、それだけでしょ?」


「それだけじゃねーよ」


「もういいよ、帰る!」



私は、図書室を飛び出した。


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