サヨナラの向こう側
「じゃ、さっきのがファーストキス?」


「う、うん」


「違うんだろ」


「違うというか、なんて言えばいいのか・・・」


「もしかして、千広と幼稚園児の頃にしたとか、お父さんとしたとか、そういうんじゃねーの?」


「そういうんじゃ、ない、かな?」


「隠し事すんなよ、美久のことはなんでも知りたいから」


「あのね、修学旅行でやったダイビングで溺れて、皆川先生に人工呼吸してもらった」



慶は、フーッと息を大きく吐いた。


「先生も、善意とはいえ、ややこしいことしてくれたよな。


俺がその場にいたら、そんなことさせなかったのに。


相思相愛のキスは、俺が初めてだから、許してやるよ」


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