サヨナラの向こう側
『私も、恵未みたいに、正直になれたらな』


『なれるよ。


困った時に、誰に助けてほしいか、考えてみなよ』



皆川先生と彼女がバイト先に来た時、慶がそばにいてくれて、心強かった。


さっき、慶のところに佳菜子さんが来た時、偶然千広と会って、なんだかすごく落ち着いた。



『まだ、わからない』


『あとは、普段一緒にいて、何か違和感があるなら、その人は違うかな、とかね』


『もう少し、考えてみる』


『考えるのもいいけど、直感を信じなさい。


じゃあね』


『ありがと、バイバイ』



恵未との電話を切って、空を見上げると。


きれいな夕日から注がれるオレンジの光が、まぶしかった。


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