サヨナラの向こう側
それから4日間、私は先生と一緒に頑張った。


先生に褒められると、それだけで嬉しかった。



やっぱり私、皆川先生が好き。


彼女がいるってわかっても、あきらめられないよ。




そして、7月の部活最終日。


先生に台本の印刷をお願いして、帰ろうとすると。


先生が、


「佐藤、これやるよ」


と、ペットボトルをひょいって投げた。



なんとかつかむと、


「ナイスキャッチ」


って、先生は笑った。




先生、大好き。


そう、言えたら。


先生の胸に、飛びこんでいけたら。



でも、彼女の存在が、私を止める。


だから、曖昧に笑って、私は帰る。



だけど。


しばらく会えないから、私はちょっとだけ、ワガママになってみた。




「先生、夏休みは彼女とどこか行くんですか?」




先生は困った顔をして、何も答えずに行ってしまった。



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