私と彼とあの子

事の始まり

「柚木ちゃん、ちょっとこれでいいの？
　またあの転校生にイケメンどころとられ　ちゃうわよ。」


朝、教室に入るなりそう声をかけられた。
このクラスでも派手なグループのリーダー的存在の二条紫さんから。


「いいのって、何の事？」

「もうこのことに決まってるじゃない。」

と一枚の学校新聞を見せられた。
そこには、私と付き合っていることになってるであろう結城君と転校生である柳さんが写っていた。

彼、結城駿とは半年前のあの事件をきっかけによく話すようになり、実は彼が優等生の仮面を被っていることを知ることになった。　
と言っても、結城君のことは有名だから知っていたけど。
なぜなら、彼は身長180㎝をこえる長身で、容姿端麗、頭脳明晰、運動神経抜群、大企業の社長令息という家柄も完璧な人間だからである。
しかも、この学園にファンクラブのようなものまであるのだ。
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