フェアリーガーデン
妖精と紡ぎ手
緑の葉がさわさわと揺れる。
季節は初夏ーー新緑が眩しい。



昼下がりはどうしたって眠い。淡い金髪の少年は読みかけの本を顔に乗せ、ベンチで微睡んでいる。



『旭ーもうすぐ式はじまるんじゃねーのか?仮にもお前、学園の代表だろ』



淡い光の玉――蝶のようにも見える物体が、呆れ口調で言った。



「深紅……最近また蒼馬に似てきたんじゃない?」

『蒼馬より悠かにマシだっての。とか言って、行かねーのナシだからな!まあそんな心配いらねーだろうけど』



そんなやり取りを交わしていた時だった。



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