守られお姫様

『うん。私もそれ、分かる。』




優「でもね、俺はあの家に生まれて良かったとは思わない。」




いつもの口調をやめ、真剣な口調になった。




そして、




優「俺には兄と弟がいる。兄は大学1年。弟は中学2年。あの家の跡継ぎは兄。でも俺は小さい頃から家に縛られ続けた。」




え？それってつまり、




優「自由がなかった。好きなように外で遊ばず勉強勉強勉強。1回だけ勉強中抜け出して公園に行こうとした時に使用人に見つかって親に怒られた。」




優「その時の言葉がさ、[ふざけるな。勉強をしろ。勉強を。お前はそれしか利用価値がないからな。]って。あの人は自分の子供まで道具としか思ってないんだ。」




『それからずっと親の言いなりに？』




優「いや、中学入って反抗期と重なってさらに親に反抗したくなった。だから髪を染めた。兄も弟もいて2人は俺のこと気にかけてくれてた。」