Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
弁護士の園田さんを、駅まで迎えに行き、
ホテルで打ち合わせをした。


大体の方針が決まると、
叔母さんの家に園田さんと向かった。

俺たちは、
春が寝ている間に、
叔母さんと言われる人物に会った。


その方が、よかった。
春に話を聞かれずに済むから。


園田さんと二人で、
出された資料を見て驚いた。


「これだけですか?」
園田さんも、冷ややかな言い方だ。
俺も、春を守ろうという、気持ちが強くなる。


思ったように、
出鱈目な借用書で、書面も調わず、

振り込んだ実績もないような、
お粗末な内容で、弟に、金を貸していた
ことにしていたのだ。


心配していた、怪しい金融業者は、
間に入っていなかった。


だから、こっちの仕事は、
叔母さんを少し脅かして、
春の家に、
影響が及ばないようにすることだった。


金銭的には、
春が責任を負うようなことは、
まるでなかったのだが、


信じきっていた人物が、まるで
腐りきっていたことを、
春に告げるのは気が進まなかった。


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