Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
春は両手に荷物を抱えて、
電車が来る方向をじっと見てる。



俺は、そっと近づいて、
春が抱えていた荷物を降ろした瞬間に
後ろから腕を回して春妃の体を抱きしめる。


「きゃっ…」と小さく声をあげる。
春の柔らかい体がピクッとはねる。


少しは、警戒しろよ、アホ!


あまり大きくはないが、
腕の間に挟まった、
形のいい胸の感触が、
柔らかくてきもちがいい。


首筋にキスされても、
くそ真面目な春妃は、
俺の鞄を律儀に離さないで、手にもっていて、
なにも出来ないでいる。


更に、大胆になって、
上着の隙間から手を入れて
春の胸の柔らかさを手のひらで味わう。


「あっ…」
春の唇から声が漏れる。


俺、お前が首筋に弱いの知ってるぞ。
さんざん、からかってふざけたもんな。



俺は、春の体の向きを変えて、
正面に立たせた。




春を、ぎゅっと抱きしめて、
強引に唇を押し付けてやる。


遠慮なく、奪うぞ。
もう、泣こうがわめこうが、構うもんか。


この間のキス、
大したことない、って言ったよな。



「お前、普通のキスじゃ、物足りないんだろ?
濃厚なやつ覚悟して」




春が驚いて、目を丸くする。


俺、お前の、そういう、なんとも言えない
懇願するような顔もっと見たい。



こんな表情の春が、
たまらなく好き。



「甘い…春の口のなか…」



両手がふさがった春は、
俺にされるがまま、キスを受けている。




ゆるい拘束でも、春は、逃げなくなった。



さらに、春の口のなかから、
甘ったるい感触をぬぐう。




本当は、その鞄パソコンなんて入ってないんだ。
ごめんよ、春妃
俺、律儀なお前の、そういうとこにつけ込んだりして。



ああ、でも
キスすればするほど欲しくなる。
いくらあっても足りない。


「ナオ…止めて…お願い」


やだ。
もう遅いよ。



そんな声出したら、
余計にやめられなくなる。

わかってるのか?




こんなキス、友達になんかするかよ。





今度は、普通だなんて言わせない。





簡単に忘れないように、
ずっと、心に刻んでやる。



少なくとも、大阪から帰ってくるまでは。



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