イジワル上司と秘密恋愛

「どうかしたか? 春澤」

「あ、課長。さっきまでここに置いといたスマホが無くなってしまって……」

一生懸命探し回っていると私の様子に気付いた新海さんが近づいてきて声をかけてくれた。

「ここに置いといたのは気のせいで、本当は家に忘れてるとか電車に置き忘れてたとかじゃないのか?」

「そんなはずありません。さっきまでここにあったはずだもの」

困っている私を見兼ねたのか新海さんは探すのを手伝ってくれたけれど、結局スマホは見つからなかった。


大切なデータは全て外部端末に保存しておいたけれど、スマホを失くしたダメージはとても大きい。

急いで携帯会社に駆け込み臨時の携帯を借りたけれど、仕事にも支障が出るし、紛失対策のキャリアサービスを行うまでは悪用されたらどうしようと生きた心地がしなかった。

そして何より不自然な紛失がどうにも納得できず、私はしばらく燻った気持ちを抱えることになる。
 
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