制服汚しちゃいました





少し呼吸も落ち着いてきた頃、仲﨑くんが急にきいていた。



「…伊川は…あの、泉月ってやつが好きなのか?」



「あ、りゅう?
いや、全然。ただの幼なじみだよ。
まあ、好きなときもあったかもしれないけど。」



「…そっか。
じゃあ、ショッピングモールで一緒にいたってやつは?」



「あの人も好きじゃないよ。
あんな人、好きになれば良かったのかな…。」



「…好きな人、いるのか。」



「…うん。いるよ。」



「でもその人、彼女いるから。
ダメなんだ。あたしなんかじゃ。」



「…じゃあ、俺にしろよ。」



「…えっ?」



「だから、そんな奴やめて、俺にしろよ。」



何を言っているんだろう。仲﨑くんは。

…彼女は?
そう。彼女がいるじゃん。
きっと、冗談だよね。




< 148 / 205 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop