season〜駆け抜けた青春〜
高校生活スタート!


「ハルー!!」
と、突然後ろから私を呼ぶ元気な声がした。

振り返るとこちらに向かって見覚えのない女の子が走ってきた。

「んもー!ハル遅いよ!!私なんて一時間も前から着てるんだよ?」
「………?」

誰かと勘違いしているのかな、と思ったけど、私の名前を知っているようだ。思い出そうとしても、まったくわからない。

そんな私の様子に気が付いたのか女の子は、
「ん?ハル?…どしたの?」
と、顔を覗きこんでくる。

誤魔化してもしかたないので、とりあえず名前を聞いてみることにした。

「えっ…、えーっと、どちらさま?」
「………んんっ!?何言ってるの!?あたし夏海だよ!!」

そう聞いて私は目が飛び出そうになった。
「ええっ!?ナツ!?」

だってナツは黒髪のロングで、眼鏡をかけていて、そもそもこんなに大きな声でしゃべる子ではなかったはず。

それなのに今目の前に立っているナツは茶髪のショートで、眼鏡をかけていない。

「どどど、どーしたのナツ!?」
驚いている私を見てナツはアハハと笑った。

「びっくりしたでしょ!なんていうのかな、いわゆる高校生デビューってや つ!憧れてたんだよねー、こういうの!」

そう言ってナツはケタケタと笑う。そして

「そういえば、もうあの2人も来てるんだ!一緒に行こうよ!!」

ナツはまだポカンとしていた私の手を握って走りだした。
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