あたしをア・イ・シ・テ
あたしの復讐




『芽衣』


凛とした声が頭に響いて、誰が呼んだんだろうかと、あたしはうっすらと目を開けた。


「お姉ちゃん!!」


その瞬間、がばっと抱きついてくる誰か。


「んん…?夏芽?ここどこ?」

匂いで夏芽だと判断したあたしがそう聞くと、


「ここは病院!お姉ちゃん、誘拐されて、それで…」


「誘拐…?」


誘拐、なんてあたしには縁の無さそうな単語が聞こえて首を傾げる。

でも頭を傾けたとき、ズキンっとすごい勢いで頭が痛くなった。


「った…」


思わず頭を押さえると、包帯が巻かれていることに気づいた。


「なにこれ?」


あたしがそう聞くと、夏芽はハッとした顔になった。


「もしかしてお姉ちゃん、なにも覚えてな…」


がららっ


「芽衣さん目が覚めたようですね」


「…?あ、え、はい…」

夏芽の言葉の途中で入ってきたその二人組に、あたしはビックリして言葉が出なかった。


なんと、厳しい顔をした警察官だった。

一人はおじさんで、もう一人は若そうな人だった。


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