あたしをア・イ・シ・テ



自転車小屋につくと、ライトが結構点いていて、少し安心できた。


「あたしここにいる」


ライトの下でそう言うと、唯翔はじゃ、待ってろ、と言って歩いていった。

ガチャン、と少し離れたところから自転車の鍵が開く音がして唯翔が戻ってくる。

「鞄貸せ」

「え、いいよ背負うから」

「いいから」


鞄を自転車の籠の中に入れて、あたしは荷台に乗った。


「落っこちんなよ」

「わかってるよ」


スーっと走り出した自転車。

学校の門を出て、やっとちゃんと安心できた。

あぁもう超怖かった。


誰なのあんなところにいたのは。

それとも、やっぱり人じゃないのかな…


うわぁ、やめよ、もう考えないことにしよ!


あたしは唯翔の腰に手を回して、背中にもたれ掛かるようにして家に着くのを待った。


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