あたしをア・イ・シ・テ




ウィーン、と自動で開くドアを通って、あたしと唯翔は院内へと入った。

有莉沙が目を覚ましたらしくて、お見舞いに来た。

あれからはもう三日経っている。

階段から落ちたことによる、脳震盪と出血。

有莉沙は検査などのために1週間ほど入院するらしい。

幸い傷は深くなくて、血が出てた割には大丈夫そう。


なにより、目を覚ましてくれたのはほっとしたけど三日も待ちきれなかった。


「南川の病室はどこだ?」

「3階の203だったかな」


唯翔がエレベーターのボタンを押してくれて、そのまま上がっていく。

3階に到着して、降りて左に曲がると203の部屋がある。


がらら…


「あーりさー?」

「あ!その声は芽衣だね~?」

カーテンからひょい、と顔を出してにこにこしている有莉沙。

その頭には包帯。

あたしは有莉沙に思わず抱きついた。


「あーぁぁ、有莉沙生きててよかった!」

「えへへ、ありがとね二人とも見つけてくれて」

「ああ。もう大丈夫なのか、体調は」


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