あたしをア・イ・シ・テ
ふクしュう




「えー、では第一回修学旅行委員会を終わります」


「「お疲れさまでした~」」

ガタガタとパイプ椅子を引く音が会議室中に広がる。

そんななか、あたしは座ったまま伸びをしていた。


「あ~、意外と疲れたぁ」


「そう?私はこういう裏で作業するの好きだからなぁ」


そう言いつつ、隣に座って欠伸をするのは有莉沙。

今日は例の修学旅行委員会の会議で、今終わったところ。

修学旅行委員会の主な活動は、修学旅行でのオリエンテーション運営や各クラスの部屋割り決めのリーダーなど、

言っちゃえば修学旅行に向けての雑用みたいな感じだった。


まぁ、あたしは見事、有莉沙を誘うのにも成功し、そして…


「あ、芽衣ちゃん。一緒帰る?」

ゆるりと現れたのは彼方くん。
彼を誘うのにも成功している。


着実に計画は進んでいってるね…。


「あ、彼方くん。もう暗いし送ってくれると助かるな」


ふふ、と冗談半分に笑うと、彼方くんはいいよ、と言ってくれた。

天然プレイボーイと噂の立つ彼方くんは、カッコイイし、やっぱりモテる。

でも感情の上がり下がりが激しいのが玉にキズかも。

「有莉沙も一緒帰るよね?」

「いいけど…」


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