鬼姫伝説Ⅲ
「由羅、違うの、話を聞いて」
「もういい・・・聞きたくない」
「由羅」
もういいよ。
言えないようなことだったんでしょう?
私は、言えないようなことをして生まれた子供ってことなんだ。
「お母さんの嘘つき。お母さん言ったよね!?人を好きになることは素敵なことだって。人に愛されることは幸せなんだって」
「・・・ええ」
「でも、それって永遠じゃないじゃん。お母さんは、だから一人なんでしょう!?結婚もできなくて、一人で私を育てて。愛されてなんかないじゃん!永遠の愛なんてないじゃん!」
「・・・っ」
お母さんの瞳が潤んでいく。
見たくなくて目をそらした。
「捨てられたんでしょう?愛されてたって思ってたの、お母さんだけなんじゃないの?・・・私なんて、生まれないほうがよかったんじゃないの!?」
止まらない想いを突きつけて。
私は家を飛び出した。
玄関の外には快斗がいて。
苦しそうに顔を歪めていた。
私は快斗をすり抜けて走り出した。