鬼姫伝説Ⅲ
「素敵・・・か。でも、そのお姫様は、鬼に恋してしまったから死んじゃったんだってさ」
「え・・・?」
「三浦時光。ほら、さっきの城のお殿様。その人と結婚するはずだったんだけど、それが嫌で逃げ出して。怒った時光が奪い返そうと鬼たちを襲って、その鬼を庇って死んだんだって」
なんて悲しい・・・。
そんなことがあったんだ。
「ひどい時代だよな。でも、だからこそ、人を好きになるのだって命がけだったのかもな」
感慨深そうに快斗が呟いた。
命がけの恋。
永遠の恋なんて、あるのかな?
私には、わからない世界。
「帰るか」
「うん」
快斗と私は、再び来た道を帰っていく。