羽ばたけなくて
厚い壁
先週まで楽しくて仕方なかった高校だったはずなのに、

たった1日でこうも変わってしまうのだろうか。

普段ならなんともない40分の道のり。

いつもならウォーキングも兼ねて

軽やかに歩くのだけれど、

その道のりがやけに遠く、そして重く感じる。

それは学校に近付くにつれどんどん増していった。

見慣れた学校の校門前で私は思わず立ち止まる。

この校門をくぐったら、

もしかしたら私の知る学校の姿と

一変しているかもしれない。

そう思うと、怖くて足がすくむ。

私はその場で深呼吸を2回ほどすると、

重い足をどうにか校内へと踏み入れた。

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