羽ばたけなくて
あれから結局、2人からメールは来なかった。

上手く話がまとまったのか、

それとも……ダメだったのか。

胸のざわつきをそのままに朝を迎えてしまった。

「どうだったのかな……」

トーストを口にしながらぼんやりと呟く。

ここで私が心配していたって

仕方のないことなんだって理解しているのに、

どうしても考えてしまう自分に、少しだけ心の中で笑った。

今日はいつもより少し早く家を出よう。

そう思って、私はまだ食べ終わらない朝食をそのままに、

席を立つ。

「今日ちょっと早く行かなきゃいけないから。

 ごちそうさま、あと、行ってきます。」

そう声をかけると私はバタバタと家を飛び出した。

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