恋色キャンバス~君がおしえてくれた色~
そして、八月に入った。


今僕は、海にいる。

青い海、青い空、煌めく太陽。

何て、思っていたのに。


「いっくん!!

着いた途端に雨ってどういう事なの」


「知るか、雨男」


「うぅ、確かにそうですけど」


楽しみにしてたのに。


「今日は、昼から雨で、明日まで晴れないんだから、仕方ないだろ」


「でもさぁ」


折角、宿題終わらしたのに。


「あれ、どうした、ヒーくん」


「カナ兄、何で、雨なの」


「それは…、要するに暇なんだな。

だったら、絵でも描くか」


「あっ、そうする」


絵描きたい。


「さっきまでの愚図り嘘みたいだな」


「マイペースだよね」


絵描こう。



     アトリエへ


「さて、準備できた」


絵を描き始めた。









まぁ、こんなところかな。


疲れたなぁ、甘いもの食べたい。


後ろを向くと、幸来ちゃんの顔がドアップ


「わぁ」


ビックリした。


「ごめん、驚かせちゃった」


「いるなら、声かけてくれれば、良かったのに」

「邪魔しちゃいけないかなって……、
でも、本当に凄いね」


「全然、まだまだだけど」


他の人に褒められるのは、当たり前だけど

幸来ちゃんに言われるととても嬉しい。

心に染み渡る嬉しさだ。




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