最期
外面の良かった夫は、最期まで仕事人間で、仕事なしでは生きられない人だったのかもしれない。


その証拠に、定年を迎えたばかりのこの年に、もう悔いはないんだとでもいうように死んでいった。


仕事に生きて、それをサポートしてくれた妻。


訪れた人たちは、私をそんな風に誉め称え、惜しい人を亡くしたと、涙ながらに帰っていった。




笑顔で写る遺影を見る。


「ちゃんと、生きてるときに言ってよね?

私に感謝してるんだって」


そんな風に話しかけながら、フッと笑みが漏れた。


納骨の日には、娘と息子に聞かせてあげよう。


今まで知らなかった、あなたたちの父の仕事の顔を……


尊敬できる父親だったんだってことを……


そして家族には語られなかったけれど、きちんと私たちを愛してくれてたんだってことを……










END
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