寵愛の姫 Ⅰ
変化
誘い
時は過ぎ。
春、
私は、高校1年生になった。
朝は学校、夜は繁華街。
そんな代わり映えのない日々を、私は毎日送ってた。
…そう、今日までは。
―――これからも、この変わらない日々が続くのだと、私は信じていた。
「…なぁ。」
天野さんの声に、人の波から私は隣に視線を向ける。
「はい?」
「……。」
話し掛けたのは彼の方なのに、なぜか黙り込んでしまう天野さん。
「…天野さん?」
そんな彼に私は怪訝に思い首を傾げた。