日暈 〜halo〜

父が敵になる日

小学生になったひかりは

友達が出来る喜びを知った。



学校へ行っている間は

母の目に怯える事もない。



やっと羽ばたける時間だった。

友達も沢山出来た。

こんなに楽しいと思った事は無かった。



友達100人できるかな?

それがひかりの夢だった。



ある日学校の先生が家庭訪問にきた。



母は、ひかりが先生に日常の虐待の事を

話していないかどうか

聞き出そうとしている。



「この子家にいる時はとても大人しくて、学校でもイジメられてるんじゃないかと心配で…」



お母さん、やっちゃったね。

学校でもって事は家でもって

言ってるのも同じだよ。



でも先生は、気づいてくれなかった。

そしてこう返事をした。



「え?!お母さん、ひかりさんは、とても活発で、イジメられてるなんて事は、全くありませんよ。」



先生、もうそれ以上言わないで。

楽しそうに過ごしてるのを知ったら

また機嫌が悪くなるから。



「ひかりさんは、他のクラスにも

沢山お友達がいるんですよ!」



先生本当わかってねーよ。

それ以上余計な事しゃべんな。



「そうなんですか?!」



そう言う母から、愛想笑いが消えた。



ほら、やっぱりね…。



友達といる時はだけは

本当の自分でいられた。

でも、そんな時間も長くは続かなかった。
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