【完】俺の言うこと聞けよ。〜イジワルな彼と秘密の同居〜

車で10分ほど走ったら、すぐにMiyakawaまで着いた。


店の駐車場に停めさせてもらい、裏にある宮川家の敷地まで歩いていく。


宮川家はうちみたいに店舗兼自宅ではなく、お店と自宅は別で、広々とした庭までかまえているような豪邸だった。



門の前に立つだけで、怯んでしまいそうになる。



ここが、琉衣くんの……



レンガ造りのおしゃれな西洋風の建物に、ガーデニングがキレイに施された庭。

そして同じくレンガ造りの塀に取り囲まれて、それはそれは裕福なお宅だということが一目見てわかる。



こんな家でこれから毎日暮らすなんて…


考えただけでもクラクラしてきて、思わずまた引き返しそうになった。



「それじゃ、伺おう」



だけどそんな私を気にするでもなくお父さんはインターホンを押す。



ーーピーンポーン



すると、スピーカーから奥さんらしき声がして



「はぁい」


「西村です。お世話になります」


「はい、どうもこんにちは〜。今開けますね」



開けますね、の声とともに、門のロックが外れる音がした。



ーーガチャッ、


< 21 / 388 >

この作品をシェア

pagetop