【完】俺の言うこと聞けよ。〜イジワルな彼と秘密の同居〜

「…っ、マジかよ…。

なんだよそれ…」



琉衣くんの声が少し、震えてる。



「俺だって……好きだ。

すげぇ好き…。

もう絶対…離さねぇから」


「うん…」


「お前だけは絶対離さない」


「うん…」



離れないよ、絶対に…。



そう思って力を込めて抱きしめ返した。



夏のぬるい風が吹き抜ける。


私の髪がそれになびいている。


車の音、人の声、何も聞こえなくて。


そこには私たちだけしかいないみたいに、二人でずっと抱き合っていた。


もうずっと、離れたくなくて…。



琉衣くんはそっと腕を離すと、私の頬に触れる。


それだけでその部分がじんわり熱くなる。



「ぷっ、ひでぇ顔…」


「…えっ!//」



涙でボロボロになった私の顔を見て、琉衣くんがイタズラに笑った。



「だ、だって…泣きすぎて…」


「ブッサイク」


「えぇっ!?ひどっ…、」


「ウソだよ」


「えっ?」


「可愛い…」



どきん…。


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