真実の愛のカケラ
「副社長も28なんだし、彼女くらいいるんじゃねーの?

そりゃ会社ではそんな素振り見せないだろうけど…。
家に帰ったら長年付き合ってる彼女が待ってるとか」


社内ではなく、俺らとは全く関わりのないところで彼女がいるという可能性をチラつかせて、あわよくば諦めさせようと作戦を練ったが…。


「えー?
そうは見えませんけどね。

例えいたとしても関係ないですし」


…。
作戦失敗。


「…そうなんだ」


浮気も不倫も略奪愛も、関係ないってか?
宮野、お前の敵はなかなかたちが悪いぞ。


「でも大塚さん会社の受付嬢なんだし、副社長のルールから外れるだろ。
やっぱ立場上、社員とどうこうなるのはマズい」


「私が会社やめたら、相手してくれるのかなー…」


そこまで!?
え、そこまでして副社長をものにしたいのか?


「1つ聞いてもいい?
副社長のどこがそんなに好きなんだ?」


「どこって、全部ですよ!」


全部…?
悪いけど、その言葉すっごく軽く聞こえるんだけど。


宮野がそれを言うならまだわかるけど、大塚さんは副社長のことそこまで知らないんだろ?
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