真実の愛のカケラ
至福のひととき
んー。
家の鍵閉めてきたっけ?
どうだったっけなー?

閉めたような、閉めてないような…。


気になり出したら止まらない。


「宮野、プレゼンの資料ここ置いておくぞ」


同僚の声にはっとする。


そうだ、現実逃避をしてる場合じゃない。
私の人生初プレゼンの時間は刻一刻と迫ってきている。


「ありがとう、福井ぃー」


「なに、緊張してんの?
なんなら俺が代わってやろうか?」


茶化しながら資料を渡してくれるのは、外見はスポーティー、中身は実は噂好きな同期の福井。
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