真実の愛のカケラ
でも、明日って…。
24日という日に彼女をおいて会社の人間と飲みに行くなんてことはしないはず。
仕事終わりにデートする気だ。
まぁ、会社の人というのは間違ってないけど…。
イチャイチャしてるのを想像しただけで落ち着いていられなくなる。
あー、何かを殴りたい。


その時、副社長の向かい側から宮野柚希が歩いてきた。
これは2人が何かボロを出すかもしれない！
シャッターチャンスだ。


携帯を構えてその瞬間を待ち望んでいると…。


「お疲れ様」
「お疲れ様です」


普通にすれ違いやがった。
何あれ？
さっぱりしすぎじゃない？


さすが副社長。
会社での対応には徹底してるな。


だけど私は見逃さなかった。
すれ違った瞬間の副社長の優しい目を。
いつもクールな副社長が、たかが社員にあんな目は見せない。


自分の観察力の高さ故に、イラつくことが増えていく。
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