真実の愛のカケラ
拓哉の手が私の左手に添えられ、薬指に指輪が嵌められる。
そんな自分の左手を見て、じわじわと実感が湧いてきて、嬉しいとか感動とかを超えた柔らかい愛に包まれる。


拓哉はわずかに笑って、涙を拭ってくれる。
その頬に触れる手が大きくて温かくて、安心する。


いつか思ったことがある。
プロポーズをされて泣いてばかりいては、相手を不安にさせてしまうんじゃないかと。


だけど今になってわかる。
きっと拓哉は今の私のたまらない気持ちをわかってくれている。
それがわかるから、ただただ涙を流すことができるんだ。
この嬉しくてたまらない涙を。
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