真実の愛のカケラ
同じ景色を
会社の自室に来客があった。


ここに俺がいることは社長である父や、一部の役員しか知らない。


でも来たのはそのどちらでもない、俺が頭の上がらない人だ。


「そんなに落ち込んでいるのなら、早く仲直りされればよろしいのに」


「堺さん…」


落ち込んでる姿を見せたつもりはないのに、どうして仲直りしてないことがわかるんだ。


「あれから1週間です。
このままだと愛想をつかされますよ」


連絡もできず、会いに行くこともできず。
このままではいけないことはわかってるけど、日を追うごとに柚希に会うのが怖くなっている。


…完全にタイミングを見失った。
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