プロポーズは朝陽を浴びて
「結婚!? みんなの烈くんだって分かってるから、結婚はいいよ」

 一緒になろうか。
 そういわれたとき、わたしは断ってしまった。
 だって、いわれたタイミングも微妙だったと思う。

 愛を交わしたあとだったから……勢いでいったのかな、とか。
 気持ちが盛り上って、心のなかでちょっと考えてみたことをポロッと口に出しただけなのかな、とか。

 嬉しいというよりも、驚きが先だったし、どこまで本気なのかなって戸惑って出たのが、

「結婚!? みんなの烈くんだって分かってるから、結婚はいいよ」

 だった。

 烈とは付き合い始めてそろそろ2年になる。
 うちに泊まりにくるようになってから半年。愛を交わすようになったのも、それくらいから。
 男女交際というには、慎重すぎるペース。
 お付き合いの期間的なとこだけをみれば、普通の恋人同士であれば結婚も考えたりする時期かもしれない。
 でも、わたしの相手は普通のひとではない。
 こう書くと、語弊を与えるかな……。

 わたしの彼、日向烈は芸能人なのである。
 ただの芸能人ではない。
 ドラマや映画、CMでも活躍している人気俳優なのだ。
 最近はバラエティーにも出るようになり、人柄の良さを認識される機会も増え、老若男女の支持を得ている凄いひと。
 スタイルのよい長身は人目を引き、やや面長の整った顔立ち。烈に微笑まれると、微笑まれた方も微笑まずにはいられなくなる柔らかな微笑みを浮かべる。穏やかな気性で、どんな相手にも分け隔てなく優しく接する癒し系キャラ。
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